本ページの情報は2022年度の情報です。
2023年度の情報は、7月上旬に更新予定です。
「子ども学特別研究Ⅰ」(必修)において、研究指導を行います。院生が修士論文等で手がけてきた研究テーマを改めて発展・展開するとともに、研究課題への志向も含め、研究テーマを設定、研究計画を作成します。当該研究分野における国内外の先行研究の掌握、研究テーマにおける資料・データ収集、高度研究手法の獲得、博士論文の骨格形成を主眼として指導します。 1年次終わりには、中間研究発表会を実施し、段階的に研究の進捗指導を図ります。関連分野の学会等に報告し、外部の意見を聞き、より論文の質を向上させるよう研究をすすめます。
当該研究の分野における内外の先行研究掌握の熟度をさらに上げます。また、研究計画に基づきリサーチ活動を進展させていくよう指導します。研究テーマにおける資料・データの追加的収集、高度研究手法の定着、博士論文の基本草稿の作成を主眼として指導します。子ども学研究分野の学会誌等での投稿を試み、研究の学術的レベルを上げます。2年次終わりに中間研究発表会を実施し、博士論文提出に向けて、段階的に研究の進捗指導を図ります。
論理・実証性の総点検を行います。年度当初に論文テーマ題目、構成目次を作成し、博士論文予備審査の書類を提出します。前期に博士論文執筆を行い、9月に論文提出。提出後は博士論文の審査に向けての指導を行い、2月に公開口述審査を行います。
博士(子ども学)
2016年度以降
幼児の保育現場で約40年間保育者として子どもたちと関わってきた中で、積み重ねてきた経験や感覚だけではなく、エビデンスに基づく教育の重要性を痛感していました。そこで研究的実践者なりたいと思い、先ず本大学院修士課程に入学しました。同課程を修了してから2年を経て、学びをさらに深めたいと思い本大学院博士課程へ進学しました。博士課程の素晴らしさは、専門性の高い先生方から大変丁寧にご指導をいただき、新たな見方や考え方を学べることです。特に私は現場の経験は長いものの研究の側面から考えますと、まだまだスタートライン付近にいるところです。ですから素晴らしい先生方や研究仲間と議論し合うことで、知的好奇心が大いにくすぐられます。研究テーマは、幼児の劇活動の歴史的研究です。文献を読み込むほどに、それぞれの時代の幼児の劇活動の状況が垣間見え、子どもの姿が浮かんできます。そして、歴史的資料からも子ども中心の保育の重要性を改めて実感しているところです。今後は、粘り強く研究に取り組み、そこで得られた知見を保育の現場や保育者養成の場に発信していきたいと考えています。
学習の現場で、子どもたちが言葉や数式の意味を理解できず、問題解決に向けて自力で考えることができない姿を多く見てきました。試行錯誤する中で、絵図を描きながら言葉の意味やものごとのしくみを子どもたちと共に「わかろう」とすることのおもしろさに、指導者である私自身が開かれていきました。「描く」という動的な思考活動を理論的に解き明かしたいと思い、本大学院に進学、「絵的思考の研究」という修士論文にまとめることができました。研究の方法や論文執筆の技法を学びながら、さらに研究を深めたいと思い、引き続き博士課程に進学しました。
博士課程では、先生方が院生の問題関心や研究テーマに沿って授業を展開してくださり、議論をしながらテキストを読み解き、先生方の知見や考察から学ぶ濃密な時間となっています。研究に関しても多くのご助言やご指導をいただくことができ、自らの課題が明らかになると同時に研究を多様な視点から見ることができるようになりました。現場から生まれ、現場に還元できる研究を志していきたいです。
白梅学園大学大学院は、社会人にとりましても研究に取り組みやすい環境が整っているように思われます。子どもに係る文献や資料の豊富さ、研究室の利用のしやすさなど、物的環境はもちろんのこと、夜間や休日にもご指導、ご支援くださいました先生方に今も感謝の気持ちでいっぱいです。社会人学生は既存の学問体系を超えた学際的な研究課題に取り組むことがあるかもしれません。私も保健医療、教育、福祉等にわたります学内外の先生方に繰り返しご指導いただきました。このようなご指導、ご支援の過程で学びましたことは、研究に係る考え方や取り組み方だけでなく、人と関わることや人を育てることに係る基本的な姿勢であったように考えています。先生方には現在もご指導いただくことがありますことを大変有り難く感じています。
感染症の流行等に伴いまして環境の変容が著しいように思われます今日、子どもにかかわる課題はより複合的になっているように思われます。このような課題の発見や探究には社会経験を経た研究者や実践者がかかわることも必要かもしれません。ご自身の問いやお考えを先生方や他の大学院生のみなさまのお力をお借りしながら、一緒に探究されてみませんか。