「子ども学特別研究Ⅰ」(必修)において、研究指導を行います。院生が修士論文等で手がけてきた研究テーマを改めて発展・展開するとともに、研究課題への志向も含め、研究テーマを設定、研究計画を作成します。当該研究分野における国内外の先行研究の掌握、研究テーマにおける資料・データ収集、高度研究手法の獲得、博士論文の骨格形成を主眼として指導します。 1年次終わりには、中間研究発表会を実施し、段階的に研究の進捗指導を図ります。関連分野の学会等に報告し、外部の意見を聞き、より論文の質を向上させるよう研究をすすめます。
当該研究の分野における内外の先行研究掌握の熟度をさらに上げます。また、研究計画に基づきリサーチ活動を進展させていくよう指導します。研究テーマにおける資料・データの追加的収集、高度研究手法の定着、博士論文の基本草稿の作成を主眼として指導します。子ども学研究分野の学会誌等での投稿を試み、研究の学術的レベルを上げます。2年次終わりに中間研究発表会を実施し、博士論文提出に向けて、段階的に研究の進捗指導を図ります。
論理・実証性の総点検を行います。年度当初に論文テーマ題目、構成目次を作成し、博士論文予備審査の書類を提出します。前期に博士論文執筆を行い、9月に論文提出。提出後は博士論文の審査に向けての指導を行い、2月に公開口述審査を行います。
博士(子ども学)
児童発達支援の現場で実践者として働いてきましたが、修士課程在籍時の経験から研究者として知見を積み重ねていくという方法で実践を豊かにする一助になりたいと考えるようになりました。博士課程では保育学を取り巻くさまざまな領域の学問に精通した先生方との対話の中で、自分自身の視座が多角的に広がっていると感じています。また、自立して研究が行えるように、研究計画や方法論などについても学びを深めています。今後は、実践者として働いていた頃から感じていた“子どもも大人も楽しく過ごせる組織の在り方とは”という研究テーマを深く追求していきたいと思っています。大学院では先生方はもちろんのこと、授業やゼミの場で他の学生の方たちとも対話をしてさまざまな意見を聴かせてもらえることも魅力のひとつです。これからともに保育学を語り合う仲間が増えることを楽しみにしています。
私は保育実践者を経て保育者養成校で大学教員として勤務しながら、研究を細々と継続して行ってきました。そして、「研究の集大成を的確なご指導をいただきながら論文にまとめたい」という思いから、博士課程に進学することを決めました。先生方は、常に寄り添いながら伴走し、時に厳しく、時に背中を押していただきながら熱心に指導をしてくださいました。そのプロセスの中で、研究者として一つの事象を多角的に捉え、問いを立てながら考察することの大切さと面白さを学びました。
私は、現在、大学教員として保育者養成に携わる他、保育現場と連携した研究や園内研修の講師を務めています。学生の実習先として出会ったいくつかの保育園では、保育者の悩みや困ったことを伺いながら、大学院で学んだことを土台に、研究者としてどのようなことができるかを考えて提案しています。子どもの未来を見据えて、保育を学ぶ学生・保育現場・研究者(大学教員)というリンクの中で、お互いに学びあえていることを実感しています。「私たちは(保育に)悩み、最適な答えを見つけたいから学んでいる」という気持ちは、どのような立場にあろうと共感できる言葉です。