2017/7/19

オープンキャンパス

【特別企画】7/9 模擬授業のご紹介

7月9日(日)オープンキャンパスで実施された模擬授業をご紹介します!

 

子ども学科

題名: 子ども文化への誘い―『星の王子さま』にみる<救世主>としての子ども―

講師:   首藤 美香子 准教授

 

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■内容のまとめ

 サン・テグジュペリの『星の王子さま』(1944年)は、戦争の脅威、国家の分裂、社会の分断、身近な人との不和・相互不信など大人を取り巻く危機的状況を乗り越えるための英知と勇気を与えてくれる、幼い子どもが主人公のファンタジーです。うわべ、言葉、数字、スピード、権力、有用性、効率性、合理性を優先させる大人に対し、「大切なものは目には見えない」ことを、子どもの無垢で透徹した眼なざしと言葉で美しく語る作品の根底には、小さく無力で脆弱な子どもこそが、傷ついた大人を慰め救う存在であることを教えてくれます。特に、王子さまとキツネのエピソードからは、友達になるためには、言葉に頼らず、時間をかけてゆっくり辛抱強く、きまりを設け、互いの絆を深めていくことが重要なこと、また王子さまが1輪のバラの元に帰ることを決意する結末からは、自分にとって「唯一の特別な存在」に対し、永遠に責任をもち愛し守りぬく覚悟の大切さがうかがえます。

 

 

■受験生へのアドバイス

 

子どもを「保護と教育の対象」と考える子ども観は自明のものではありません。大学では、私たちの常識や前提を疑ってみることが重要で、 自分で実際に調べ、確かめ、比べる学習を積み重ねていきます。生物として子どもに普遍的にみられる育ちの姿を実験や調査を通して科学的に探る脳科学や発達心理学、小児医学といった自然科学と、社会文化のなかでの子どもの生き様や子ども期の経験の多様性や可変性を探る人間学、社会学、歴史学、文化論など人文社会科学から得られる総合的な子どもの理解が、子どもの養育・保護・教育を支える確かな理論と方法論の修得や問題解決のための福祉や臨床へとつながります。就職に有利な資格取得が優先されがちですが、回り道でも学際的な子ども研究を学んで、子どもをめぐる時代の変化を俯瞰する思考力や長期的な展望にたって子どもの未来を見定める選択眼を培い、子どもの専門職の新しい可能性と課題を考えるきっかけにして下さい。

 

発達臨床学科

題名:  こころとからだの関係を考える~アクティビティで学ぶ精神医学~

講師:  西園マーハ文 教授

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■内容のまとめ

 発達臨床学科では、さまざまな領域の心理学の授業に加え、心理学に関連する分野の講義を行っています。「精神医学」はその一つです。発達臨床学科の卒業生が働く場所はさまざまですが、子どもたちや保護者のメンタルな問題に対応することもあり、精神医学の基礎の理解は重要です。授業では、なじみのない症状についても理解できるよう、事例への対応を各自が考えたり討論するアクティビティを取り入れながら、さまざまな病理について学んでいきます。

 今回前半にご紹介したのは、皆さんが良く知っている児童文学に描かれた「転換ヒステリー」の例です。葛藤が身体症状になる過程を見ながら、こころとからだの関係について考えました。後半は摂食障害についてご紹介しました。100年以上前の事例と、ダイエット情報があふれている現代の事例の違いをご紹介しながら、こころとからだだけでなく、社会の役割についても考えました。

 

■受験生へのアドバイス

 発達臨床の学生にとって、医学や精神医学というと、「何となく難しそう」「自分の取りたい資格の取得には関係ないのでは?」と敬遠しがちな科目です。でも、現場に出た卒業生からは「学生時代にもうちょっと学んでおけばよかった」という声をよく聞きます。将来、自信を持って仕事をするためには、資格取得のための勉強だけでなく、関連する領域に興味を持って、学ぶ姿勢はとても大事です。今は受験の準備で忙しいと思いますが、対人援助に興味がある方は、精神医学、メンタルヘルス関連の本なども読んでみて下さい。

 

 

 

家族・地域支援学科

題名:  「福祉の視点 ~寄り添う支援者として~」

講師: 井原 哲人 講師

 

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■内容のまとめ

今回の模擬授業では、子どもの成長・発達を支える一つの視点として、家族の生活に着目しました。家族は子どもを養育する機能を期待されています。しかし、その機能を発揮するためには、働くことによって収入を得ること、子どもと関わる時間的な余裕があることなどの条件が必要です。その条件が崩れた場合、家族が子どもを養育する機能を発揮することは難しくなります。そのような困難が重複した結果に虐待の問題が発生します。子どもの成長・発達を考える場合、家族の生活を支えることも同時に考えていかなければいけません。

■受験生へのアドバイス

私たちの生活は、日常的に特に意識することなく過ごしていることが多くあるかもしれません。しかし、収入を得るための働き方、正社員・非正規社員といった雇用のされ方、家事などにあてられる時間、アドバイスや助けを求められる親族や友人のようなつながりなど、「社会」とのつながりの中で営まれています。理想として描かれた生活ではなく、新聞等の報道や出版されている書籍を通して、リアルな生活、そして生活の中にある困難を社会とのつながりの中で考えるきっかけとしてください。

 

 

保育科

題名:  のぞいてみよう、子どもと音・音楽の世界

講師:  長井 覚子 講師

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■内容のまとめ

 

「保育者にとって必要なこと」を考えたとき、その一つとして「子どもを知ること」が挙げられると思います。子どもに関する理論を学んだり、実際の子どもの姿を知ったりすることは、保育の中でどのような活動、援助をしたらよいのか、自分にとって今後どのような知識、技術、力が必要なのかを考える材料となります。模擬授業では、①養育者とのコミュニケーションの中で様々な声を出す子ども、②自然の音に耳を傾ける子ども、③音が出る手づくり玩具で遊ぶ子ども、の様子を動画で視聴しながら、そのことが子どもにとってどのような意味があるのか、保育者(大人)に求められることは何かということを解説しました。ここで紹介したような経験は、すべて、その後の子どもの育ちの土台となる経験です。このような経験の意味を保育者(大人)がしっかり理解し、子どもとかかわっていくことが重要になります。

 

■受験生へのアドバイス

今後、子どもとかかわる機会があったら、子どもたちが遊んでいる様子をよく見てみてください(過去の体験を振り返ってもよいです)。その時に感じたこと、気づいたことを大切にしてください。それらのことはメモに残しておくとよいと思います。受験のときのみならず、入学後、就職後…これから保育のことを考えるにあたって、きっと、ずっと、役に立つはずです。